日本国内のホテルでチップの渡し方と相場は？お礼は感謝の置き手紙でも喜ばれる！

日本の観光シーズンが到来すると、多くの人々が国内のホテルでくつろぎのひとときを過ごします。

ゴールデンウィーク(GW)や夏季休暇、年末年始の長期休暇は、とくに人気の旅行時期です。

ここで多くの宿泊客が疑問に思うのが「海外旅行ではホテルやレストランでチップを渡すことが一般的なマナーだけど日本国内ではどうなんだろう？」というものです。

とくに高級ホテルでは、チェックイン時にベルボーイが丁寧に荷物を運び、部屋まで案内してくれることがあります。

こうしたサービスを受けると、感謝の気持ちを表したくなるのは自然なことでしょう。

そこで今回の記事では、日本国内のホテルにおけるチップの慣習について詳しく解説していきます。

そもそも日本国内のホテルでチップを渡すのはマナーなの？

結論から言うと、国内のホテルにおいてチップを渡す必要は、原則としてありません。

この慣習は、海外のホテル文化とは大きく異なります。

欧米を中心とした国々では、チップはサービスに対する当然の対価として認識されています。

一方、日本の宿泊料金体系は独特です。

ほとんどの場合、宿泊料金にはすでに「サービス料」が含まれています。

この料金は通常、請求額の10%程度を占めており、海外でのチップに相当する役割を果たしています。

つまり、日本の宿泊施設で追加のチップを渡すことは、サービスに対する対価を二重に支払うことになってしまいます。

このような背景から、国内のホテルや旅館では、チップを渡す習慣が根付いていないのです。

そもそも大前提として、日本のおもてなし文化では、心のこもったサービスを提供することが当たり前とされており、それに対する金銭的な見返りを期待しない傾向があります。

むしろ、誠心誠意のサービスを通じて、お客様に満足していただくことが最大の喜びとされているのです。

日本国内のホテルでチップを渡すタイミングと相場は？

ここまで紹介した通り、日本国内のホテルでは通常チップは不要ですが、特別な状況で感謝の気持ちを表したくなることもあるでしょう。

例えば、予想以上の素晴らしいサービスを受けたり、逆に何か迷惑をかけてしまったりした時です。

そういった場合、チェックアウト時に「お世話になりました」と言いながらチップを渡すといいでしょう。

心付けを渡す際は、ティッシュや小さな封筒(ポチ袋)に包むのがマナーです。

現金をそのまま渡すのは避けましょう。

金額の目安としては1,000円から3,000円程度が一般的ですが、厳密な決まりはありません。

受け取る側も金額の多少で印象が変わることはないので、自分の気持ちに合わせて決めて大丈夫です。

チップ以外にも「お礼の置き手紙」を残すのもあり！

心からの感謝を伝える方法は、必ずしもチップ(お金)に限りません。

特別なサービスや親切な対応に感銘を受けた際、チップを渡せない場合でも、気持ちを表現する素晴らしい方法があります。

部屋に用意されている宿泊客アンケートは、感謝の気持ちを伝える絶好の機会です。

そこに、印象に残った出来事や感動した体験を具体的に記述することで、スタッフの努力を正当に評価できます。

また、アンケート用紙がない場合でも、ホテルの便せんやメモ用紙を利用して、感謝の置き手紙(メッセージ)を残せます。

当ホテルにご宿泊のお客様より嬉しい置き手紙。心温まるとはまさにこのこと。見つけたスタッフから笑顔で報告を受け全体にも共有し、会社全体を明るい雰囲気にして頂きました☺️粋なお客様の粋な手紙1枚の力に魅了されました。これからもふく井ホテルを選んで頂けるよう、従業員一同頑張って参ります。 pic.twitter.com/MNcJGi14Hy

— 林 佑太 @ふく井ホテル 代表取締役 (@yutahayashi0731) April 8, 2022

とくに効果的なのは、お世話になった特定のスタッフの名前を挙げて、その方の行動や対応がどれほど素晴らしかったかを詳しく書くことです。

このような具体的な評価は、当該スタッフだけでなく、ホテル全体のサービス向上にも大きく貢献します。

また、こうした書面での評価は、スタッフの実績として記録に残り、昇進や評価にも良い影響を与える可能性があります。

つまり、あなたの言葉が、スタッフの仕事人生にとって貴重な財産となるのです。

このように、金銭以外の方法で感謝を表すことは、日本の文化に深く根ざした行為であり、しばしばチップ以上に価値ある形でスタッフに届きます。

滞在中に受けた素晴らしいサービスへの感謝を、このような形で表現してみてはいかがでしょうか。